学校カリキュラムの関係で、ちゃんと「秋の遠足」が設定されてまして。
…仕方ないので、川崎の「味の素工場」に行ってきました。
#予め表明しますが、見学に行った今でも、
ワタシ自身は、味の素は使わないと思います。
別に危険な食物ではないと思うけど、問題は実は安全性ではない。
まずは、レセプションセンターにて、企業PRのビデオなど見る。
おもむろに、超・小さい味の素小瓶と、味噌を湯で溶いただけのものが
それぞれ配られる。まず味噌湯を飲んでみて、その後、味の素を足してみー。
という趣向。
ここで、ひねくれ者のワタシは、いきなり、味の素の、粉だけを味見した。
みなさんも、もし家に味の素があったら、ぜひ、試してみてください。
そしたらね。
…ちょーーー旨いの(爆)!
もうね、あり得ないくらい旨い!
実際、家でカエルに同じ事をしたら、「おかわり」言うてました(爆)
ふつうの見学者達だったら、ここで「旨い!」の歓声があがり、
案内係のおねいさんもニッコリ、てなもんだろうが、
今日の見学者、つまりワタシたちは、調理師のたまご。
毎日毎日、出汁が出てない!香りがいまいち!と叱られまくっている奴らである。
そんな簡単に出汁なんて出ない。
そして出汁の味は、もっと遠くから、奥から、漂ってくるものだ。と、
身にしみて知っている集団である。
さきほどまで、遠足気分でがやがやしていた会場内が
水を打ったように静かになり「…美味しい」と、
つぶやくワタシたちの挙動不審ぶり。
こんな簡単に「旨い」なんて、どこかおかしい、と感じてるわけです。
その後、ほんだしの工場を見学、CookDo!の工場も見学。
かつおの泳ぎのシミュレータ面白い、とか。
調味釜がすっごいでかくて笑った、とか、にんにく毎日1tとか凄すぎ、とか。レトルト装置がとにかく巨大で、まるでエアバスだった、とか、
ほんだし工場は玄関からすでに鰹のかおり、とか。
いろいろオモロイもんが見られたんですが、やっぱ最初の、
味の素のあじ、の衝撃が一番だなあ。
味の素は、現在はサトウキビから作られていますが、開発当初は、
昆布から抽出しようとしてたらしいです。
小さじ1杯未満の味の素を取るのに、昆布が乾燥で2.4kg。
乾物の2.4kgって…ちょっとした山ですよ。
…味の素を使ってうまみを出す、ってことはつまり、
そんな大量の「うまみ」を、一気に食べちゃう事になる。
そら、舌もしびれちゃうよ、刺激過剰で。
昆布から抽出していたのでは価格が高くなってしょうがない!
これでは庶民に行き渡らない…ということで、サトウキビから
抽出することに成功。これにはある菌の発酵作用を用いていて、
その菌の発酵代謝物が、グルタミン酸、なんだそうです。
ふつう、糖類の発酵代謝物って、アルコールが多いよね。
グルタミン酸代謝、って珍しい…。
社員でも、菌の正体や、具体的な名称を知ってるのは
かなりの上層部の人だけに限られているそうです。
トップシークレット。…多分、突然変異株なんだろうなあ。
凄い発見をしたもんだ…。
そして、みんなに美味しいものを、安価、安定的に食べさせたくて、
味の素は、こんにちまで、歩んできたわけ。志は高いんです。
糖蜜の発酵代謝物を、漂白・蒸留、酸味を中和して析出させたのが
味の素。…特に危険な食い物ではなさそうだよね。
でも、やっぱりあんなイキナリ旨いもの、って、おかしい。
素材の味がわからなくなってしまう。とにかく強烈に旨いから、
どの料理も、同じ「うまみ」で覆われてしまう。
常食してると、味覚異常のもとになるな…と、身をもって感じました。
こんぶだし、かつをだし、は、うまみだけじゃなくて、
乾物の栄養や各種ミネラル、食物繊維も一緒にとれる。
だから「美味しい」と「身体にいい」が直結するわけ。
味の素を使っちゃうと、そのへんの直結が薄れてきて、
栄養はないけど旨いもの、ってのが出来ちゃう。
旨いものと身体にいいものが直結しているのは、素材のちから。
そんで、うまいものってのは一種類じゃないし、
うまみは、思いもよらないモノから、自分で取り出せるもの。
感覚をスポイルせず、直感を大切に生活をしていきたいです。
だから、味の素は、わたしんちには不要だなー。
写真は
1)配られた超ちいさい味の素。指輪とサイズを比較してください
2)声を揃えてああ旨いアヂノモト。昔の電車広告だそうです
3)ほんだし工場の玄関。かわいい鰹。
2007年11月16日金曜日
味の素 工場見学に行ってきた
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